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町でうわさの天狗の子(ネタバレ感想その2)

前回は、大事件が起きる前の、普通の高校生の友情物語やラブストーリーといった話の感想をお伝えしました。

前にも言いましたが、私は大事件が起きる前のお話の方が、気軽に読めて好きです。

でも、事件が起きてからの話は、すごく読み応えがあるんですよ。

 

町でうわさの天狗の子 1巻~12巻(完結)

作者: 岩本ナオ 出版社: 小学館 月刊Flowersで連載されていました。

 

天狗の娘として生まれた秋姫は、食べる量が異常に多くて、トラックを持ち上げられるほど力が強いほかは、他の子とそれほど変わりません。

本人も天狗にはなりたくないと考えていて、修行も熱心にしていません。

 

ただ、秋姫の幼なじみで、普通の人間だけど、天狗になることを目指して修行している瞬ちゃんや、鞍馬から来た天狗のモミジは違う見方をしています。

二人は、秋姫が天狗として大きな能力を秘めていることを知っていました。

 

二人だけでなく、秋姫の父親の康徳様や、四国からやってきた天狗の栄介と眷属神の福山様もそれを知っています。

 

7巻くらいから、大きな力を使うと、腕に狐のような毛が生えてきたり、食欲が減ってきたり、体の変調を感じるようになった秋姫。

秋姫に一体何が起きるのかが誰にもわからず、康徳様や瞬ちゃんは心配して、情報を集め始めます。

 

 そして、わかってきたのは、天狗と人間の間に生まれた秋姫は普通の天狗とは違うこと。

秋姫は、古代に存在した日本最古で最強の天狗、あまつきつねになるということ。

 

妖に最も権威があった平安・鎌倉時代には、悪行の制裁として、生きたまま天狗道に落とされる天狗が数多くいました。

鬼は六道の地獄道で4回生まれ変わり、その間に悔い改めて、転生する道をたどります。

しかし、天狗道は一度落ちると戻ってくることができず、時間軸もなく、未来永劫閉じ込められることになります。

 

瞬ちゃんは子どもの頃から、秋姫が暗がりに落ちていく夢を何度も見ており、あまつきつねになった秋姫が天狗道に落とされるのではないかと心配します。

 

そして、奈良に修学旅行に行った時に、奈良の鬼の一族であるうららちゃんを助けようと、鬼と戦った秋姫。

大きな力を使ったために、狐の姿になってしまいます。

 

天狗道に落ちる可能性があると皆が思っていた満月の夜に、秋姫はいよいよあまつきつねになります。

モミジや栄介も秋姫が天狗道に引き込まれない方法を見つけようと、必死に動き回ります。

また、康徳様や、康徳様に頼まれた大天狗たちが阻止しようと戦いますが、それもむなしく秋姫は天狗道に向かうことになります。

そして、瞬ちゃんも普通の人間でありながら、秋姫について天狗道に行くのです(泣かせる・・・💧)。

 

瞬ちゃんは天狗道に行く前に、眷属神になるため修行をしている見習い達に、修行をして、十分な力をつけて自分たちを助けにくるように命じます。

 

そして、タケル君には、いつになってもいいから、自分が秋姫を助ける時のために、天狗道への道を開くものと墜ちた天狗を祓う錫杖を作ってくれと頼みます。

 

天狗道は時間がない世界です。高校生だったタケル君が年老いた頃、瞬ちゃんに頼まれたものがようやく完成します。

そして、立派な眷属神になったかつての見習い達と、大天狗になった瞬ちゃん自身が、秋姫を助けに天狗道に来ます。

最後は、天狗道にとらわれていた人間の瞬ちゃん自身が、秋姫を助けるのです。

 

秋姫と瞬ちゃんは高校生だったもとの世界に戻り、二人は思いを通わせることになります。

瞬ちゃん、頼りがいがあって、とてもいいです。

 

こうして文字でまとめようとすると、ずいぶんあっさりしたものになってしまいますが、読み応えがあるのでぜひ読んでほしいです!

秋姫の個性的な友達とのやりとりや、恋の話など、ささいなエピソードもとても面白くてお勧めです。

動物の眷属神見習いも可愛いですよー。

 

妹にプレゼントされなければ、おそらく読むこともなかった作品ですが、出会うことができてよかったです。

 

町でうわさの天狗の子」はもちろん紙版も販売されていますが、以下のサイトで電子版も読むことができます。