15シリーズ第1話 煉瓦の家
第1話の感想の続きです!
この話の注目ポイント
以下が、この話の注目ポイントです!
・かわいらしいマリコさんの売り子
・落合刑事、登場
・蒲原刑事、初登場
・蒲原刑事の出現で焦る木島刑事
・風丘先生の差し入れ
・木島刑事、撃たれる!
・土門さんの落合刑事評
・死神の目的・過去の自分を守りたかった香歩先生
・土門さんと木島刑事の別れ
・木島刑事、撃たれる!
臨床心理士の庄野香歩は、DVやいじめなど不当な暴力に苦しみ、自分に相談してきた人々に、自分が強くいられるようにするための「お守り」として銃を渡していました。
弁護士である夫が銃殺された栄村郁子も香歩に夫のDVを相談しており、香歩に銃を渡されていました。
そして、夫に暴力を振るわれた時、その銃で夫を撃ち、殺害してしまいました。
木島刑事と蒲原刑事は、郁子の知り合いであり、香歩に不登校について相談していた高校生、芳尾優弥のところに事情を聞きにいきます。
優弥は自室に引きこもっていましたが、木島刑事が部屋の外から声をかけて、話を聞かせてほしいと言うと、部屋のドアが開きます。
そして、顔をのぞかせた優弥はいきなり木島刑事を銃で撃ちます。
郁子と優弥はお互いの悩みについて電話で話をする間柄で、夫の暴力に追い詰められていた郁子に、銃で夫を撃ってしまえばいいと言います。
優弥は、郁子が本当に夫を撃つとは思っていませんでした。
しかし、郁子の夫が殺害されたことを知り、自分があんなことを言ったせいで、郁子が犯罪に手を染めることになったと考えます。
罪悪感があり、自分も警察に捕まると考えて怖くなり、精神的に追い詰められた結果、木島刑事を撃つという行動に出たのです。
木島刑事は出血がひどかったのですが、幸いにも手術で一命をとりとめました。
・土門さんの落合刑事評
土門さんは、まだ洛南署に所属していた落合刑事にフリーマーケットで会った時も、いかにも嫌そうな顔をしていました。
気性の激しさを表に出すこともある土門さんですが、ここまで相手に対する嫌悪をあからさまに出すのも珍しいですね。
土門さんはマリコさんに、落合刑事には死神というあだ名があることや、
「あいつが行くところ、草木一本残らない」
と言われていることを話します。
「確かに刑事としては優秀だが、捜査手法は強引で、成果を求めるあまり、
情報提供者を見殺しにしたり、時には仲間の刑事を平気で裏切ったりもする」
とも言っていました。
さらに、捜査一課の刑事と組織犯罪対策課の刑事の捜査方法の違いについても説明します。
組織犯罪対策課の刑事にはSと呼ばれる情報提供者がいて、自らが得た情報を他の刑事には伝えずに捜査をすることがあるそうです。
今回の事件でも、落合刑事は情報提供者を通じて、背後に暴力団が絡んでいることを知っていました。
さらに、暴力団が持っていた多数の拳銃が盗まれたことから、一連の事件が始まったことを知っていました。
しかし、自分の捜査の障害にならないように、他の誰にもその情報を伝えなかったため、木島刑事が高校生に撃たれるということになったのです。
木島刑事が撃たれた後、落合刑事がしたことを悟って、土門さんは本当に悔しそうにしていました。
マリコさんもその話を聞いて、情報を伝えれば、木島刑事が撃たれることもなかったと愕然としていましたね。
・死神の目的
落合刑事については、以前以下の記事を書きました。
木島刑事が撃たれた後、鑑定結果を教えてくれるように頼んできた落合刑事に対して、マリコさんは、落合刑事が掴んでいた情報を他の誰にも伝えなかったことを非難します。
落合刑事が情報を隠していたために、木島刑事が撃たれることになったと。
それに対して、落合刑事は、
「死神の行くところ、草木一本残らない。
あなたもそう思っているのかもしれないけど、それは誤解だわ。
私には私の目的があるの。それを果たすために、一番適切な方法を選んでいるだけ」
と答えます。
その言葉を聞いて、マリコさんは落合刑事に、銃を奪って逃げている香歩先生の教え子達の潜伏先の情報を伝えます。
そして、落合刑事は名前を明かさずに、その情報を暴力団に伝えてしまうという・・・。
「私の目的がある」
と言った通り、落合刑事はその後、銃の密輸ルートの摘発に成功します。 その成功で、情報を隠していたことは不問になりましたね。
土門さんやマリコさんは、当然落合刑事のやり方に納得していませんでしたが。
でも、そんなマリコさんも、落合刑事とやりとりをしていくうちに、
「私は落合刑事が死神だとは思わないわ。だって、死神が事件のヒントをくれるかしら。落合刑事には落合刑事なりの正義がある。
それは案外、私達と同じ方向を向いているかもしれない」
と言うようになるのですが。
こうやって書いてくると、やっぱり15シリーズ、面白いなー。落合刑事は5回分と正月SPしか登場していないんですが。
・過去の自分を守りたかった香歩先生
京都市内に銃が出回ったり、複数の銃撃事件が発生した原因は、臨床心理士の庄野香歩が、自らのクライアントに銃を渡していたことでした。
香歩はDVや不登校など、不当な暴力に苦しんでいる人たちの相談にのっていました。
強くいられるようにするための「お守り」として、クライアントに銃を渡していたのです。
いくら「お守り」として渡していても、DVに苦しんでいた妻が夫を射殺したり、不登校の高校生が刑事を撃ってしまったり、だんだん制御できない事態になっていきます。
また、クライアントに渡していた銃は、暴力団の隠し場所から教え子たちが奪ってきたものですが、銃を奪われた暴力団も銃を取り戻し、報復をするために動き出していました。
足が不自由で車椅子を使用している香歩先生は、手元にまだあった多数の銃を教え子たちに託します。
4人の教え子たちは多数の銃を持ったまま、見つからないように潜伏していますが、事故が起きて、1名が銃で撃たれて死亡します。
精神的に追い詰められて、暴力団にも追われていた教え子たち。
香歩先生は教え子たちを信頼して、銃が使われることはないと言っていましたが、このような状況では何が起こっても不思議ではありません。
落合刑事が自らの名前を告げずに、暴力団に教え子たちが潜伏している場所を教えたため、暴力団は銃を取り戻そうと潜伏場所にやって来ました。
しかし、土門さんたちが間に合って、その場所に到着し、暴力団を逮捕しました。教え子たちも銃を使うことなく投降して、誰も傷つかずにすみました。
香歩先生は銃を持っている目的は自分が精神的に強くいられるようにすることであって、他人を傷つけることではないと言っていました。
でも、銃は本来人を傷つけるために使われるものですから、香歩先生が意図していなかったことが次々に起こっても不思議ではないですよね。
香歩先生には、10代の時に友達と行ったクラブで複数の男に襲われたというつらい過去がありました。
そのクラブはなくなって、今は空き地になっているのですが、暴力団から奪った銃の一部をその空き地に埋めていました。
本当に銃を渡したかったのは、過去の自分だったのです。
それを思うと、香歩先生にも確かに思慮が足りず、事態を甘く考えすぎていたところはありますが、一番悪いのは、他人に暴力を振るう人だと思いました。
・土門さんと木島刑事の別れ
木島刑事は回復後は内勤の仕事に異動することになります。
高校生に撃たれたのは不慮の事故と言ってもいいと思うのですが、なぜ刑事をやめさせられてしまったのでしょうか。
木島刑事に落ち度があったわけではないですよね。これがずっと謎なんです。
土門さんに憧れて、土門さんのような刑事になりたいといつも言っていた木島刑事。
土門さんは、今すぐは難しいけれど、刑事に戻れるように上にかけあってもいいと言いますが、木島刑事はそれを断り、高校生に撃たれた自分は後方支援に回ると答えます。
撃たれたのは木島刑事が悪いわけではないのに、木島刑事がなぜ自分を恥じるようなことを言うのかがわかりません。
土門さんに、
「お前は刑事だ。どこへ行っても。俺と離れても」
と言ってもらい、木島刑事は目に涙を浮かべて、感激していましたね。二人は固い握手を交わしていました。
木島刑事、こういう話の流れだったらやめなくてもいいのにって今でも思います(笑)。
木島刑事が卒業して、蒲原刑事が加入することが決まっていたからと言われれば、それまでなのですが。
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