以前、やじきた学園道中記については以下の記事を書きました。
現在、やじきた学園道中記は、F(ファイナル)シリーズが月刊ミステリーボニータで連載中です。
そして、9月16日に2020年8月号までの話を収めた9巻が発売されました!
今日はこの最新巻の感想を書いていこうと思います。
ここから、詳しいあらすじを書いていきますので、内容をまだ知りたくないと思われる方は見ないでください!
あらすじ
やじさんは、自分を訪ねて山形まで来てくれた一之介と真吾を鶴岡駅まで出迎える。
真吾は花火工房の見学を希望していたが、関東の工房はどこも受け入れない。どうやら、何か圧力がかかっているようだ。
そこで、一之介を通じて、真行寺の親分を通して、大曲の工房に問い合わせたところ、受け入れるという返事をもらった。
さらに、大曲で開催される大きな花火大会の映像を毎年撮影しているマニアの人に、大会の映像を見せてもらえることに。
二人を観光に案内するやじさんだったが、鶴岡公園を見学していた時に、真吾を拉致しようとする黒服の男たちに遭遇。
一之介は男たちの中に以前やり合ったカイがいることに気づく。男たちはハーディの指示を受けていた。
そして、真吾だけでなく、一之介までも拉致されてしまう。
やじさんとキタさんは片桐から情報をもらい、二人を救い出す。
一方、狭霧はハーディから一之介たちが拉致されたことを聞いて、ハーディと共に山形にやってくるが、その時にはすでに真吾と一之介は救出されていた。
ハーディは老の指示により、まもなく帰国することになっていた。
真吾を連れて帰国するという本来の目的を果たすため、ハーディは手下に真吾を再び捕まえるように指示する。
後日、やじさんは山伏体験をした羽黒山に、真吾、一之介、狭霧を連れてくる。しかし、そこでも真吾を捕まえる男たちに遭遇する。
今度はハーディの手下ではなく、権藤に指示されている男たちのようだ。
やじさんや一之介たちが男たちと戦っているところに、呉葉が手下の者たちと登場し、男たちを倒すのを手伝ってくれる。
呉葉の手下の中には、なんと黒崎がいた。
ハーディは部下から、真吾の父親のローズが、真吾を取り戻そうと日本に向かっていることを聞く。
これまで息子の身柄の確保は人にまかせっきりだったが、真吾の花火への執着が本物であることにようやく気づいたようだ。
真吾も、父親が自分を連れもどそうと日本に向かっていることを知る。
真吾は父親が日本に来ることを汚らわしいと言い、感情をあらわにして、拒否の姿勢を示す。
やじさんと一之介は、真吾の父親が事業を成功させるためにしてきたこと、真吾の母親や真吾に対してしてきたことを知る。
真吾の父親のあまりにもひどいやり方に、やじさんは真吾にかける言葉が見つからず、自分の中で様々な感情が交錯する。
仲介してくれるはずの真行寺の親分が、山形の知り合いのやっかい事に巻き込まれて、真吾は、なかなか花火工房の見学や花火大会の映像を見ることができないでいた。
やじさんは、クラスメイトの佐田君のおじさんが花火マニアで、全国の花火大会の映像を撮影していることを知る。
やじさんが佐田君におじさんの紹介を頼んだところ、会えることになる。
そして、実際におじさんの家を訪ねた時、真吾と一之介にも来てもらうことになる。
しかし、真吾と一之介はおじさんの家に向かっている時、権藤の手のものに拉致されてしまう。
そして、佐田君のおじさんは、やじさんから真吾の話を聞いて、
「その子 花火職人にはなれねぇのぅ」
と意味深なことを言う。
感想
ここからは私の感想を書いていきます。
とにかく盛りだくさん
あらすじを結構細かく書いたつもりなんですけど、漏れていることがたくさんあります(笑)。
特に面白いところを書かなかったような。
私は電子書籍で読んだんですけど、一つのぺージにセリフがものすごくたくさんある(笑)。
他の作品と比べると、セリフ量すごく多いですよね。
物語の筋も入り組んでいるし、登場人物もすごく多いし、最初はついていくのがちょっと大変かな?
その分だけ読み応えもあるということですけど。
懐かしい人もいっぱい出てくる
このFシリーズは、やじきた学園道中記の最後のシリーズとして始まりました。
そこで、市東先生も、この思い入れのある作品の締めくくりとして、愛着のある登場人物をできるだけたくさん登場させようと考えているとおっしゃっていました。
そういう記事を以前読んだことがあります。
だからこの9巻にも、片桐さんや呉葉、黒崎君、カイ、真行寺の親分など、サブキャラたちもたくさん出てきます。
ここに挙げたなかでは、私は特に呉葉が好きかなあ。
これからの巻も、どんなキャラが再登場するのか楽しみです。
ハーディってひょっとして・・・
ハーディは今回、真吾さんを拉致しようとする人物としてけっこうよく出てきます。狭霧君と一緒にいるシーンが多いです。
でも、朝に一之介さんと真吾さんが、やじさんとキタさんの部屋から出てきたという部下からの報告を受けて、ハーディが動揺するというシーンがあります。
ハーディと一緒にいた狭霧君が、なぜか言い訳のつもりで(笑)、
「矢島のタイプはメガネで七三の男」
と口をすべらせてしまい、真吾さんはやじさんのタイプかもしれないとも言ってしまいます。
ハーディは、狭霧君にやじさんのタイプが「メガネで七三の男」というのは、ドコのダレ情報なのかと尋ねます。
狭霧君は、ハーディがなぜか怒っている様子なのを見て、口ごもりながら、それは皆が割と知っている情報だと答えます。
そして、心の中で、絶対に中村先生のことは言うまいとつぶやきます。
ハーディはその後、やじさんが通っている高校まで行って、やじさんに真吾さんたちを本当に部屋に泊めたのかと問いただします。
帰国の日が迫っていて、真吾さんはまだ捕まえられていないのに。
その様子を陰で見ていたキタさんが、ハーディの肩を軽く叩いて、
「たまにそうやって暴走するトコロ あたしゃ嫌いじゃないよ!」
と言います(笑)。前にもありましたもんね、こういうこと。
キタさんはハーディが密かにやじさんを好きなことを、たぶんわかってますよね。でも、そのことに対して特に何かするわけではありません。
別に妨害もしないし、もちろんハーディの気持ちが通じるように助けもしないし。
そこらへんは、いくら相棒とは言え、相手のプライベートに必要以上に立ち入らないという距離感でしょうか。
そして、キタさんはハーディに
「真吾さんをローズ氏に渡さない事に関してだけは必要に応じ協力しようじゃないか?」
と持ちかけます。ハーディも、
「・・・OK」
と言って去っていきます。やじきたの二人と、ハーディが協力する場面、これからもありそうですね。
私、ハーディけっこう好きなんですよね。
あんまりそういう場面は出てこないし、この先進展があるかと言われると、たぶんないと思うんですが、ハーディって密かにやじさんのこと好きですよね?
やじさんは全くその気はないだろうし、この先もハーディを好きになることはなさそうなんですが、なんとかならないでしょうかね(笑)。
ハーディは国際的な企業グループの後継者だし、現実的に結ばれるかというと疑問ですけども・・・。
キタさんのやじさんへのいたわり
真吾さんの父親の話を聞いて、真吾さんにかける言葉が見つからなかったやじさん。話を聞いている時は、キタさんはその場にいませんでした。
キタさんが帰ってきて、やじさんの気持ちが沈んでいることに気づき、やじさんにどうかしたのかと尋ねます。
やじさんは真吾さんの父親のしたことがあまりに酷くて、怒りや悔しさも感じたが、何よりも悲しくなってしまったことを伝えます。
でも、真吾さんの前では泣かずに必死に我慢して、キタさんが帰ってきて、話を聞かれた時に涙を流します。
キタさんは、
「いつものお前さんなら号泣しそうなもんだけど よくガマンしたね」
と言って、やじさんの頭を軽く叩いて慰めます。その言葉を聞いたやじさんは、
「何なんだい その保護者目線ッ!!」
と怒ったんですけど、相棒をいたわる感じっていいですよね。
物語自体はまだまだ途中という感じで、感想も物語の本筋というより、自分が気に入ったエピソードの感想になっちゃいました(笑)。
これからの進展がますます楽しみです!
「やじきた学園道中記」はもちろん紙版も販売されていますが、以下のサイトで電子版も読むことができます。