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レディ・ギネヴィア (ネタバレ感想)

コミックの紹介がずいぶん久しぶりになってしまいましたが、今日は「レディ・ギネヴィア」を取り上げます。

 

レディ・ギネヴィア

1巻(完結)

作者: 名香智子 出版社: 小学館

 

 

レディ・ギネヴィアは、同じ作者さんの「ふんわり狩人(ハンター)」の続編とも言える作品です。

ふんわり狩人の方は、主人公がハイジという庶民の女の子です。

ハイジは「レディ・ギネヴィア」にも少し登場しますが、「レディ・ギネヴィア」の主人公はタイトルにもありますように、イギリスの公爵家の令嬢であるギネヴィアです。

 

上に「1巻」と書いたのですが、レディ・ギネヴィアは1980年代に描かれた作品で、現在入手できるのは文庫版です。文庫版では「1巻」にまとめられています。

でも、私の手元にあるのは以前販売されていたA4版のハードカバーです。現在は絶版になっていますが、このハードカバーは2巻に分かれていました。

とても絵が美しい作品なので、小さい文庫版で見るより、大型のハードカバーの本で見る方がよいと思います。長年とっといてよかった❤

 

でも、今でしたら電子版を購入して、タブレットやパソコンで見れば、文庫版より大きいサイズで見られて問題はないかもしれませんね。

 

先ほども言いましたが、この作品はとにかく絵が綺麗で、内容もヨーロッパの上流階級の人たちの話なので、非日常の世界に存分に浸ることができます。

マンガって、非日常の世界に自由に行けるところがいいですよね。

 

主人公であるレディ・ギネヴィアとその夫のリアンダを中心とした恋愛コメディです。

夫婦を中心とした恋愛コメディなら穏やかな話ではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、どうしてどうして一筋縄ではいきません。

登場人物が皆魅力的で、読んでいて楽しいお話です。

 

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ギネヴィアはイギリス公爵家の令嬢で、美しい黒髪と緑の目、赤い唇を持つ絶世の美女。馬術の天才でもあり、皆が憧れています。

でも、ギネヴィア本人は馬に夢中で、馬以外のことには全く興味がなく、公爵家で育ったということもあり、浮世離れしています。

 

リアンダはスウェーデンの資産家の息子。容姿端麗で女性にモテモテのプレイボーイ。まわりに女性がいなかったことがありませんでした。

 

ギネヴィアとは馬術の競技会で知り合い、ギネヴィアに一目惚れします。

どれだけの女性と付き合っても、本当に好きなのはギネヴィア一人だったのですが、自分でも長い間そのことに気づきませんでした。

 

 馬術の競技会でギネヴィアとリアンダが共に優勝した時、ギネヴィアは、自分が在籍している全寮制の学園に転校するようにリアンダを誘います。

 

とは言っても、リアンダ自身に興味があったわけではありません。

リアンダが競技会で騎乗していたジークフリードという馬が素晴らしいので、自分が所有している牝馬との間に仔を作りたいというだけのことでした。

 

でも、リアンダはギネヴィアの誘いに応じて、ギネヴィアがいる学園に転校し、ギネヴィアの兄であるサー・アーサーとも知り合います。

 

ギネヴィアは早速、ジークフリードと自分が持っている牝馬との間に仔を作ろうとします。

しかし、身ごもった牝馬が仔を生むことなく死んでしまい、ギネヴィアは身も世もないほど泣き叫び、嘆きます。

リアンダは転校した学園でもたくさんのガールフレンドを作っていて、まだこの時点ではギネヴィアへの恋心には気づいていません。

しかし、ギネヴィアが悲しむ姿を見て、ギネヴィアをこれ以上悲しませたくないという気持ちが湧いてきます。

 

後日リアンダは、元気になったギネヴィアから、新たに別の牝馬ジークフリードの仔を作ろうとしていることを聞かされて、反対します。

この前あれだけ愛馬の死を嘆いていたのだから、今度も同じことが起こったら困るだろうとギネヴィアに伝えます。

 

しかし、ギネヴィアは気持ちを変えず、二人は言い争いになり、取っ組み合いにもなります。

ギネヴィアが怒りにまかせて、

「殺してやるから・・・リアンダ おまえなんか殺してやるから!!そしたらジークフリードはわたしのものだ!!」

と叫んだことから、リアンダが怒りで我を失ってしまい、もともとギネヴィアに恋心もあったためだと思いますが、ギネヴィアを襲ってしまいます。

 

その後、冷静になったリアンダがギネヴィアに子どもができたら結婚しようと言いますが、ギネヴィアは当然受け入れることはなく、逃げていきます。

 

リアンダは自分のしたことを悔いて、ジークフリードをギネヴィアに譲り、自分はドイツにいるガールフレンドのユーリエの元に行きます。学園も辞めて、ユーリエと同棲を始めます。

 

ギネヴィアが妊娠することはなく、3年の月日が流れました。

リアンダはユーリエと同棲はしていて、他の女性とは付き合ってはいないものの、ずっとギネヴィアのことが好きで、ユーリエとの体の関係もほとんどありませんでした。

 

ユーリエも幼い頃から馬術をしていて、リアンダやギネヴィアとは馬術の競技大会で知り合っています。

ユーリエはリアンダが好きなので、体の関係はなくても一緒に暮らしていますが、リアンダが昔からギネヴィアが好きであることは知っています。

 

ある日、リアンダはそれまで音沙汰のなかったギネヴィアから突然連絡をもらい、今度結婚するから結婚式に出席してほしいと頼まれます。

過去の経緯を考えると、自分とは会いたくないのではないかと不思議に思いますが、リアンダはユーリエと共に、結婚式に出席するため、イギリスに向かいます。

 

再会したギネヴィアは足を引きずっており、キャンディという名の馬をリアンダに譲ると告げます。

久しぶりにジークフリードに会いたいと言ったリアンダに対して、ギネヴィアは結婚にあたって、馬は全頭売り払ったので、ここにはいないと言われます。

 

それを聞いてジークフリードを取り戻そうとしたリアンダに、ギネヴィアは真実を伝えます。

リアンダから譲られたジークフリードを、馬術でもっと素晴らしい演技ができる馬にしようとして無理をさせてしまったのです。

ジークフリードは怪我をして、ギネヴィアは落馬してしまい、その怪我がもとでジークフリードは命を落とすことになりました。

 

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ギネヴィアは譲ってもらった大切な馬を死なせてしまい、リアンダに申し訳ないと思って、自分に罰を与えることにしました。

それは、自分が心から愛していた馬たちを売却し、馬には二度と乗らないと決めて、馬を嫌っていて、自分が一番いやだと思う男と結婚することでした。

 

リアンダはジークフリードの事故のことやギネヴィアが売却した馬たちのことを聞いて、馬たちを全頭買い戻します。

そして、ギネヴィアの結婚式当日に馬たちを連れて戻ってきて、ギネヴィアにこれからは自分が馬たちの面倒を見ると伝えます。

 

リアンダの言葉を聞いて、戻ってきた馬たちの姿を見て、ギネヴィアは自分もリアンダが好きだったことをようやく自覚します。

それで、二人で式を抜け出して、ギネヴィアはリアンダと結婚します。

 

女性には不自由しないプレイボーイのリアンダですが、ギネヴィアにはぞっこんで、その熱愛ぶりがとても微笑ましいです。

リアンダは仕事で家を空けることが多いのですが、久しぶりにギネヴィアに会うと緊張するとか(笑)。

 

また、結婚しても多くの男性にアプローチされるギネヴィアをめぐって嫉妬したりもします。

リアンダとギネヴィアの間には息子2人と娘1人が生まれるのですが、長男のオリバーとは母親の取り合いのようになります。

リアンダも当初はオリバーをあまり好きになれないし、オリバーも全寮制の学校に入っていますが、父親が家にいる時は家に寄り付きません。

二人の仲の悪さは、ギネヴィアの悩みの種にもなります。

でも、オリバーが大きくなり、母親そっくりの容姿になってくると、リアンダはオリバーに過剰なほどの愛情を抱くようになります。

 

リアンダは、ギネヴィアをこれだけ愛しているのに、ギネヴィアが子どもばかりに注意を向けて、自分の相手をしてくれないと浮気したりもします。

また、元同棲相手のユーリエが、ギネヴィアの兄のアーサーと結婚することになると、急にアーサーに嫉妬します。

それで、ユーリエにアーサーとの結婚をやめるように迫り、その現場をギネヴィアが見て悲しむことになったり。

 

こうやって書いてくると、リアンダってなんて勝手な奴なんだと思うでしょうが、ギネヴィアだけを心から愛していることがわかるので憎めません。

 

リアンダとギネヴィアの夫婦だけでなく、ユーリエとアーサーの恋のエピソードもなかなかいいです。

 

馬術の天才で美しく、魅力的だけど、変わった性格のギネヴィアと、女性にもててプレイボーイだけど、妻だけを一途に愛しているリアンダの夫婦。

なんとも魅力的です。上流階級の暮らしという非日常の世界もとても素敵です。

 

レディ・ギネヴィアの文庫版は、紙版だけでなく、以下のサイトで電子版も読むことができます。