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紅霞後宮物語~小玉伝~ (ネタバレ感想)

コミックシーモアで無料で配信されている2巻まで読みました!

とても絵がきれいで面白いストーリーなので、ぜひご紹介したいと思います。

 

紅霞後宮物語~小玉伝~ 1~8巻(連載継続中)

 

作画: 栗美あい 原作: 雪村花菜 出版社: 秋田書店 月刊プリンセスで連載中です。

 

雪村花菜さんの「紅霞後宮物語」という小説をコミックにした作品です。原作の小説も一部読みましたが、とても面白いです。

小説はコミックで描ききれない細かい描写や場面があって興味深いですし、コミックはコミックで、美しい絵が見られるし、もっとリアルに感じられていいです。

 

カクヨムという小説投稿サイトに、紅霞後宮物語の本編より前の話と、主人公と関わりのある登場人物のそれぞれの物語が掲載されています。

無料ですので、興味のある方は読んでみられてはいかがでしょうか。

昨年11月で更新が止まっているので、今後このサイトに作品が投稿されるのかどうかは

わかりません。

無料で小説を書ける、読める、伝えられる - カクヨム

 

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 紅霞後宮物語の舞台は古代中国の「大宸帝国」。もちろん架空の国で、中国の隋や唐の時代をモデルにしています。

 

主人公の関小玉は田舎の農村に生まれました。女性ながら、家庭の事情で15歳で軍隊に入ります。

軍隊に入ってからは類稀な才能を発揮して、将軍にまで上り詰めるという異例の出世をします。

元気で明るく、細かなことにはこだわらず、しかも優しい小玉は男性にも女性にも好かれます。

小玉はこれからもずっと軍で生きていこうという意思を固めていました。

 

周文林は小玉の副官として、10年間一緒に戦ってきた間柄です。

入隊した当初は小玉に反感を抱いていたものの、一緒に戦っていくうちに小玉の類稀な能力や人柄に惚れ込むようになります。

 

文林の母は4代前の皇帝の後宮で使える女官でしたが、皇帝に見初められて、皇帝との間に文林を生むことになります。

 

 文林を身ごもっている間に後宮の人員整理があり、文林の母は実家に帰されます。

母が文林を産んでから若くして亡くなったため、文林は裕福な商家である祖父母に育てられました。

 

つまり、文林は皇族の血を引いているのですが、文林が軍隊にいた時は、まわりの人間は誰もそのことを知りませんでした。

 

1巻の設定時期より4年前に先帝が亡くなり、なんと皇族の血を引く文林が皇帝として即位します。

小玉をはじめ、軍隊の同僚たちも突然のことに驚き、小玉は将来について約束していたわけではないけど、何か裏切られたような気持ちになります。

 

そう、小玉と文林はとても良いコンビで、周囲の人間は、

「二人は将来結婚するんじゃないか」

となんとなく思っていたという関係です。

 

恋人同士でも、つきあっていたわけでもありませんが、酔った勢いで一夜を共にしたことはあるという(笑)。

文林はそのようなことがあったので、責任をとって、その翌日に結婚しようと小玉に言おうとしていました。

でも、小玉はどう見ても自分が仕掛けたことだから(文林は童貞だったので)、今回のことはなかったことにしようと文林に告げます。

それでそのまま何もなかったことになって、現在まできてしまっているのです。

 

文林が即位してから3年後、小玉は文林から突然呼び出され、自分の後宮に入ってくれと言われます。

突然そのようなことを言われて憤る小玉に対して、文林は小玉の才能を一武官で終わらせたくないから、自分の妃になってほしいと説得します。

 

文林は皇帝になってから3年間、小玉をもっと上の地位につけたいとあらゆる手を尽くしてきたのですが、うまくいきませんでした。

宸の国には側室である妃嬪が兵を率いた前例があり、高位の妃になれば、皇帝直属の親衛隊である禁軍すらも指揮できるのです。

だから、小玉を自分の妃にして、その才能を存分に発揮させようとしたのです。

 

小玉は皇帝の子を生む本来の妃の役割を果たすのではなく、妃になって軍隊を率いるのが自分の役割だと理解して、文林の要請を受け入れます。

 

後宮に入った後は、小玉は、軍隊を率いるのに必要な最低限の身分を与えられるものだと思っていました。

しかし、後宮にいる他の妃たちは小玉が後宮に入った経緯を知らないため、当然自分たちのライバルが来たと考えます。

小玉が高位の妃の一人に嫌がらせをされているのを見た文林は、小玉を皇后に昇格させます。

文林は小玉に、小玉が年若い未熟な者相手に頭を下げるのを見たくないし、小玉を据えるなら頂点と決めていたと伝えます。

 

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小玉は33歳で皇后になり、さらに出産時に亡くなった妃の子供の養母となります。皇帝である文林からの依頼を受けて、戦にも出陣します。

軍隊時代の同僚たちや、後宮の妃たち、小玉に仕える人たちとの間のさまざまな出来事が描かれます。

後宮につきものの様々な陰謀も。小玉のまわりにいた様々な人達が、戦や陰謀に巻き込まれて命を落としていきます。

 

でも、やっぱりこの物語の一番の見どころは、小玉と文林の関係です。

文林は小玉の能力を認めているだけでなく、明らかに小玉が好きです。

後宮に呼び寄せたのも、小玉に軍事の才能を発揮してほしかったということだけではなく、自分のそばにいてほしかったという理由もあったと思います。

だから、小玉が本当の意味で自分の妃になることを望んでいることが、言動の端々から伺えます。

 

それに対して、小玉は文林に対して好意はあるものの、自分は軍隊を率いるために後宮にやって来たという思いが強いです。

 

文林の気持ちに気づいているかと問われて、

「皇帝になった人は愛せない」

「文林への「情」は恋人を想うような「情」とはもう違う」

と答えます。でも、文林のことを、

「愛せないけど、見捨てられない。文林が皇宮に残るしかないのなら、あたしもここに残ります」

とも言っています。

 

小玉は妃にはなったのですが、本当の夫婦関係はありません。

でも、文林は他の妃を訪れることなく、小玉のところだけにやって来ます。

小玉も文林のことを愛せないと言っていますが、今後の物語の流れを見ると、本当にそうなのかな?と思わせます。

 

小説が先行していて、本編は2020年6月に11巻が発売されますが、文林と小玉の関係がなんか不穏になってきているようなんですよねー。

二人が本当の意味で夫婦になってほしいのになー(後宮に入った後も、事故のような一夜はあったみたいですが)。

 

文林や小玉だけでなく、まわりのキャラクターたちも魅力的です。

コミックは本当に絵が綺麗で、妃たちの衣装やアクセサリーも美しいし、ぜひ読んでほしいです!

これからも物語の続きを楽しみに読んでいきたいと思っています。

 

「紅霞後宮物語」はもちろん紙版も販売されていますが、以下のサイトで電子版も読むことができます。